お知らせ

犬伏 和之名誉教授(特任研究員)のインド出張記

WG1の犬伏和之名誉教授(特任研究員)(千葉大学 大学院園芸学研究院)が2022年3月上旬にインド南部、タミルナドゥ州へ出張されました。コロナ禍での渡航にあたり、事前準備や手続き、急な現地対応等を共有してくださいましたのでご案内いたします。犬伏名誉教授におかれましては、何度も訪問されているとはいえ、このような中、単身で渡航し(同行者の出張許可が下りなかった為)情報提供くださりありがとうございました。(なお、情報は2022年3月上旬のものとなります。旅行計画の際には最新情報をご確認ください。)

渡航時期と渡航先

2022年3月上旬(8日間の滞在) インド南部、タミルナドゥ州にある研究所

渡航の目的と必要性

現地観測機器の撤収とデータ回収

当初、当該出張のためのプロジェクト予算は昨年末までであったがCOVID-19の為、特別に増額なしで1年間のみ延長されたが再延長はなく本年3月末までに執行する必要があった。

犬伏名誉教授とチェンナイ空港まで送ってくれた現地研究所のフェロー

事前準備

出張許可をプロジェクト代表者に相談後、大学からの渡航許可を得るために、渡航の必要性説明書、ワクチン接種記録などを準備。

現地状況及びビザ

インド大使館ビザ発給はオンライン受付のみでe-visaが認められる。(X-visaはHP上でバナーは存在しているがリンクされないため受け付けていないと判断)申請書をオンラインでアップロード後4日ほどでメールにて発給。入国時にそのコピーを提示後、パスポートに1か月有効なビザと入国印を押される。※インドでは2021年10月より観光ビザも発行されている。(新規感染者数も1月中旬にピークを脱する)

e-visaに必要なもの
  • 顔写真
  • 現地滞在先住所
  • 現地連絡先氏名
  • メールアドレス
  • 電話番号2種類
  • パスポートの写し

※通常のビザ発給で求められるインド渡航歴、インド以外の渡航国名、父親の氏名などもオンラインで入力要

航空券と経路

これまで利用したスリランカ経由便は運航されておらず、タミルナドゥ州都のチェンナイに直接入るANA便を調べたがデリー経由のみ週1便しかなくそれを予約。従来のルートに比べ航空券代金が約3倍となりインド国内の陸路での移動も長時間となってしまうが、国内移動でも州を越えての移動時には、検問で運転手も含めた陰性証明が求められるとの大使館情報もあったので、陸路移動は州内とした。また、帰国便を考慮し現地スケジュール調節の必要があった。

インド側の検疫書類

(なお書類は同72時間「以上」前にアップすべき、との矛盾があり最初は検査結果用紙のみアップしたが受理されず、72時間前に検査し、当日深夜に送られてきた結果をアップし受理された)

インド検疫サイトへアップロードが必要なもの(日本出発前72時間以内にアップロード要)
  • 入国日時
  • フライトの便名
  • 座席番号
  • ワクチン接種記録
  • RT-PCR検査結果(日本出発前72時間以内)

※事前にANAデリー事務所にも送付要。出発当日、羽田空港チェックインカウンターでもビザと一緒に詳細に確認された後、乗り継ぎ便も含め搭乗券が発券される。

出発前PCR検査

柏市内で渡航に必要な書類を発行してもらえるクリニックを探し予約。パスポート持参で検査を受け、当日深夜メールで陰性証明をもらい上述のようにインドへ送り、翌日(渡航前日)原本をもらいに行く。

インド入国

降機前に機内英語アナウンス(録音)ではマスク、フェースシールドが空港内では義務とのことであったが降機後フェースシールドは空港職員のみであった。(日本語アナウンスではマスクのみ着用とのことだったので英語は少し古い内容だった?)日本から持参したフェイスシールドは使わなかった。

健康診査*も体温センサーカメラのみであったが、空港内のアナウンスではランダムで検査しているとのことであった(防護服を着た係官数名もカメラを見ていただけで乗客は横を素通り)。入国審査は少し並んだが機内で配布された従来の書式と同じ入国カード(現地滞在先の住所電話が必須)に記入済みだったので比較的早かった。国内線に移動時にも空港警察がパスポートと乗り継ぎ搭乗券を確認した(アクリル板の中央にテープで四角の枠が指示されており上記2点をそこに提示しマスクは顔認証時だけずらす)。国内線ロビーは結構にぎわっており、荷物検査などは相変わらずの密状態だった。

*デリーおよびチェンナイ空港では到着者向け検査の予約サイトもあり訪問先からは当初、そこで予約を勧められたが、ANAに確認し日本出発前の検査で十分と判断した。

国内移動(往路)

デリーからチェンナイはほぼ満席、乗客はマスク要、CAはフェースシールドと簡易な防護服を重ねていた。機内食も出たので急ぎ黙食。深夜、チェンナイ空港着、ターミナルビルへの移動通路で防護服を着た係官が一人ずつ手首で体温測定、その後、研究所からの迎えの車で宿泊施設に移動。

現地作業

DHLを発送したKumbakonamの町(マスクはたまに見かける)

オフィスではたまにマスク姿を見かける程度で圃場作業は自分だけマスク。(誰も居ないときはずらして深呼吸)ただ研究所でも昨年、若い研究者が犠牲になっており換気などの対策は維持されていた。

機材送付

以前、最寄のAduthurai郵便局でバイアル瓶などを送れたEMSでは機器がダメとのことで隣町Kumbakonamの本局で局長に交渉したが絶対ダメ。DHLを紹介され、雑貨も売っている狭い代理店で受付け(現金払いのみ)

帰国に向けての出発前PCR検査

チェンナイの日本領事館HPには市内のPCR検査リストがあったが日本書式対応が2か所のみで、当日発行は不可、出発前、市内に前2泊が必要と判断。地方中核都市Thanjavurの大きな病院に電話予約し指定時刻に野外ブースで検査受け、翌日厚労省書式も持参し記入。医師のサインももらう。(フェースシールド着用待機)

PCR試験会場
(病院脇の仮設検査場、壁にはパスポート持参のこと、などと書かれている)

帰路

研究所のゲストハウスで朝7時のコーヒーサービス(宿泊は犬伏先生のみ)三食こちらのオープンエアで個食、庭にはトラクターもあるがリスも走り回っている。
給仕のおばあさんやフェローが交代で来てくれるが、距離を保って黙食・・

チェンナイ空港にてチェックイン、携行荷物(観測機器)を何度もX線検査が行われ、書類を入念に確認される。デリー空港では乗り継ぎカウンターで現地PCR検査証明(厚労省書式)を提示。インド書式では搭乗が認められない場合もあるので注意。

羽田入国時に唾液検査、結果待ちの間に、スマホでMySOSとCOCOA、Google mapなど位置確認ソフトの確認、渡航地・接種歴の口頭での確認、検査結果が出たら入国審査、最短経路での待機場所(自宅)への公共交通機関利用も認められるようになっていた***。1週間、自宅待機、毎日1回の健康確認と数回のプッシュ型ビデオ確認、所在確認。

***日本の水際対策が3月より順次、緩和されたため。それまでは帰国後、3日程度の政府指定場所による強制隔離が義務づけられていた。

3月下旬自宅待機解除、携行した観測機器を大学に返却。同日別送DHLの1箱目がやっと到着。到着を確認し、まだインドにある残りを発送とのこと。(ウクライナ情勢を受けて航空荷物の検査も厳格化しているようだ)

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