活動報告

農家のみなさんにワークショップを行いました!

2024年12月22日、MoU(研究協力に関する覚書)を2021年9月に締結しているLovely Professional大学(LPU)にて、農家のみなさんへ技術指導ワークショップを開催しました。LPUとAakashプロジェクトは、パンジャーブにおける耕作の多様化のための圃場実験を共同研究しています。持続可能な農業への転換を目指した実践法のひとつとして、バイオ炭作成ワークショップを西原英治教授(鳥取大学)により行いました。

始めにChandra Mohan Mehta教授(LPU)が、Aakashプロジェクトの取り組みについて、まずは稲わら焼き禁止の徹底と水稲栽培によって地下水の低下など深刻な問題が生じていること、水稲に代わる作物への転換の重要性などについてお話されました。次に西原教授が、農産廃棄物から作るバイオ炭について、いろいろな国でのバイオ炭事業の事例、バイオ炭施用によるカーボンクレジットの運営についてお話しました。その後LPUの圃場につくった土壁のバイオ炭炉およびKon-Tiki(かま)を利用した稲わらバイオ炭製造のデモンストレーションを行いました。

バイオ炭製造炉に着火
炭化中の空気口(赤矢印)
着火後、上部の穴は鋼の蓋で閉じる

着火から18時間経過後の翌日、炉からバイオ炭を取り出しました。土壁のバイオ炭炉でできたバイオ炭は、LPUの圃場にて小麦の播種前に施用します。バイオ炭を施用することによる土壌改良効果について共同で検証しています。

また、今回のワークショップで登壇された西原教授は、実際に稲わらバイオ炭を施用した小麦栽培現地圃場の視察もしました。圃場試験にご協力いただいている農家さん、地域の組合長と今後のバイオ炭施用の施用量や施用方法、カーボンクレジットシステムの確立を目指すための協力体制などについて多くの議論を交わし、大変有意義な時間となりました。この地域では、すでにLPUの指導の下、稲わらの野焼きを禁止しており、稲わらのすき込み後に小麦の播種を行っているとのことですが、耕運機による稲わらのすき込みに課題もあり、もう少し改良が必要です。

今回参加された農家のみなさんは、持続可能な農業のあり方に大変関心を持っており、彼らにとっても大変価値のあるワークショップとなったようです。

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